2015年 12月 16日
現在進行中の現場でアクアレイヤーを採用しています。 このブログでも何度か取り上げているのですが、また書いてみます。 このアクアレイヤーというのはイゼナという会社の製品で水に蓄熱させるタイプの床暖房です。 フローリングの下に9センチ程度の水の入った袋を置いて、その下から温水やシートヒーターなどで暖めます。 主に深夜電力を使って夜のうちに蓄熱しておき朝から放熱させる使い方になります。 昼間は床に太陽光が当たればさらに蓄熱してくれます。 (当然のことですが、補助暖房が必要なしでこれだけで暖房をするものです) 床の表面温度は25〜6℃程度です。 普通の床暖房は30℃をかなり超えますのでだいぶ低温ということになります。 30℃を超えてくると足の裏などに汗をかいてしまったりして少し不快なのですがそのようなことがありません。 ですので無垢フローリングが使えますし低温やけどの心配もありません。 この暖房を採用する前にはきちんと断熱性能の検討をしておかなければいけません。 断熱性能が低い建物ではこの暖房は効果が発揮できないのです。 そもそも暖房というのは体感温度のコントロールということなので建物の断熱性能とは切っても切れないものです。 体感温度は体の周り(天井、壁、床)の温度が低いと熱は低い方に引っ張られて寒く感じてしまいます。 昔から日本では火鉢や炬燵といった採暖(暖房ではない)として使われてきたので、とにかく強い熱を出す機器が暖房には良いのだということになっています。 今までの床暖房も同じことで、従来の断熱性能が低い建物でも暖かく使えるように温度が高く設定されているのです。 これではなかなか快適な暖房とは言えません。 とにかく暖房方法を選定するときには断熱性能を検討することは必須のことです。 断熱性能を上げれば、使う熱は低くすることができます。 なるべく低い温度で熱を逃さず暖房するということが快適さの第一歩になるのです。 アクアレイヤーの唯一の難点は家を建てる前の体感が難しいということです。 モデルハウスなどで数時間体感してもその良さはわからないのです。 (体験の時に快適と感じたものと住んだ時に感じるものは少し違うような気がします。) もっと何日も体感し続けないと良さがわからないのです。 ですから採用には少しハードルがありそうですが、断熱性能とセットで検討してあれば特に問題はありません。
by matu-mitu
| 2015-12-16 13:24
| 温熱環境
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