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2016年 05月 27日

建物沈下の原因

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数年前の話になりますが、
建物沈下の補償交渉のお手伝いをしました。

その時点で新築してから13年ほど経過した賃貸集合住宅です。
管理をしている不動産会社に最近サッシや建具などの建て付け修正の依頼が急増しました。
件数が多くなっておかしいと思い、施工会社に建物の調査を依頼しました。
そうしましたら最大で10㎝超の沈下が見つかったのです。

住人へのヒアリングによると隣地で行われた市による遊水地整備工事の時期と一致しそうです。
かなりの沈下なので住人は体感しており整備工事から始まったと認識しているそうなのです。

早速、調査の報告書などを持参して市に話をします。
市側も対応はしてくれるのですが、まずは独自に調査を行い建物沈下の原因を突き止めてからの判断になるのでそれまでは責任については何も口にはしません。
そして色々な部署から集まるのですがどの人も責任がなく曖昧な発言ばかりで、建物沈下で困っているオーナーの気持ちを理解する人はいないと感じました。
相手は役人なので半分はしょうがないとは思いつつも、この温度差にはなかなか納得できないものがありました。

市による調査、検討が始まってから長い長い時間を待たなくてはなりませんでした。
遊水地整備工事の資料も可能な限りもらい、こちらでも何が原因で沈下が起こったのかを分析します。
事前に補償までのスケジュールを作成してもらいましたが、延びに延びて大幅にスケジュールは遅れました。

時間がかかりましたが、市による報告書が出来上がってきました。
が、元々の建物に原因があって沈下が起こったというもので市には責任がないという内容。
10程度の根拠の説明が淡々とありました。(この内容はかなり愕然とする内容でした。)

それからはこちらも地盤の専門家を交えて詳細に検討。
そして市側の報告書の根拠に対して全ての反対意見を作成しました。

そして反対意見のプレゼンテーション。
かなり気合が入りました。
その場では市側から特に何もコメントがなく、ハイ分かりましたという形で終わり、少し拍子抜けの感じで帰りました。

しかし数日後に担当者から補償の話に移って下さいと連絡があり。
勝ったようです。

原因は遊水地整備工事の際、地下水の配慮をせず工事をしたために水位が下がり建物が影響を受けたという内容で確定しました。

補償といっても市側は建替費用を出すとは言いません。
あくまで沈下修正工事の費用です。
こちらから工法を提案、見積金額を出しましたが、市側からも工法の提案、見積金額が出てきます。
結局は実際の工法よりも最終の補償金額なのでお互いが納得するところで終わります。

その後沈下の大きい部分については補償金を全て利用して建替をしました。


松田建築設計事務所HP
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by matu-mitu | 2016-05-27 16:53 | 構造 | Trackback | Comments(0)
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