居心地のよい住まい

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カテゴリ:温熱環境( 31 )


2016年 06月 13日

風のデザイン

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快適な住宅をつくるには風をデザインすることが結構重要だと思っています。

山の上では気候が変わりやすく風の影響をたいへん受けます。
山小屋などはなるべく強風を受けない場所を選んで建てます。

昔の民家は家のまわりに寒さを和らげるための風除けをつくっていました。
北側の山を背に家を建てる。
敷地の周囲に屋敷林を巡らせる。
農家などは母屋、納屋、便所などの建物で取り囲むようにして屋外作業場をつくっています。
これは風があるとないとでは体感温度がまったく違うからで、気温が低くても風を遮って陽光を浴びれば暖かく感じる性質があります。

地形や立地なども考慮することが大切です。

沖縄のような台風が頻繁に来るような地域は、周囲に塀を回して軒を低くして風を逃す工夫をしています。
外から見ればかなり閉鎖的に感じますが、内に入ると開放的な暮らしができるようになっています。

夏のことを考えると、
ジメジメとした暑さは外から風を内に導いて気流をつくって体感的に涼しく過ごしたいですね。
取り込んだ風をいかに家中に巡らせることができるかが快適へのポイントになります。
高い湿度に対して体感温度をなるべく低くして涼感を得るための工夫です。

冬は風を入れずに夏は風を入れる。
かなり高等なしくみのように感じますが、その地域地域で季節の風向きは違います。
ですので的確に風のデザインをすれば快適な住宅をつくることはそんなに難しくないと思います。


松田建築設計事務所HP
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by matu-mitu | 2016-06-13 14:25 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2016年 04月 30日

熱は熱でまかなう

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少し前になりますが「地球のたまご」OMソーラーの社屋を見学させてもらいました。
浜名湖畔の気持ちの良い環境にあります。
敷地の中は自然の池を中心に様々な生態系がつくられています。
その中に点々と建物が配されている感じです。

実験棟も2棟あり、いろいろな試みをしているようです。
一つは蓄熱部分を増やすために床裏に水が入ったペットボトルは並べられていました。
暖かい空気を回すわけなので下にある土間基礎よりも上にある水の方が蓄熱効率は高いはずです。

OMソーラーのサイトに「熱は熱でまかなう」と書かれていました。
暖房に必要な温度は20℃程度。
給湯に必要な温度は40℃程度。
この程度の温度であれば、わざわざ電気やガス、石油などのエネルギーを使わなくても太陽熱でまかなえます、という内容です。

本当にその通りです。
わざわざ高温のものやエネルギーを使わなくても低温でタダのエネルギーがたくさんあります。
これを利用しない手はないと思います。
なるべくローテクでいきたいと思います。

松田建築設計事務所HP
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by matu-mitu | 2016-04-30 21:53 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2016年 02月 18日

あったかい土間床。作製中

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リビングルームは土間床です。
ですからこちらの床には温水を回すパイプを埋め込んでコンクリートを打ってしまい、床暖房にします。
(写真はパイプを並べたところ、これからコンクリートを打ちます。)
コンクリートの厚みは仕上げのカラーモルタルも含めて13センチ。
その下には断熱材を全面に敷きこんでいます。
こちらのお宅にはペットの柴犬がいますので外に出たり中に入ったり。
そんな生活スタイルですからリビングの部屋全体を土間としました。
コンクリート、モルタルという素材は熱容量が高いので蓄熱性があります。
ですから普通の床暖房と違って長時間暖かさを溜め込んでくれて快適性が増すわけです。

松田建築設計事務所HP
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by matu-mitu | 2016-02-18 10:31 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2016年 02月 04日

断熱材パック

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セルローズファイバーの断熱材は工事するときは天井や壁、床に一気に吹込みしてしまいます。
でもたまに造作材などの関係で後でやりたいというところも出てきます。
そんなときには最小限にして断熱材パックをつくっておいてもらい、後からパックを詰め込むようにします。

上の写真はカウンターが壁の中からニョキッと出てくる意匠の為にカウンターを壁の中に埋め込む必要があります。
真ん中の三つが断熱材パックです。
一度出しておいてカウンターを差し込んで固定してから再度詰め込みます。

グラスウールだと普通のことですが、セルローズファイバーでも同じようなことができます。
ちょっとした工夫ですが意外ですよね。


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by matu-mitu | 2016-02-04 17:57 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 12月 16日

暖房システムの施工(アクアレイヤー)

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現在進行中の現場でアクアレイヤーを採用しています。
このブログでも何度か取り上げているのですが、また書いてみます。

このアクアレイヤーというのはイゼナという会社の製品で水に蓄熱させるタイプの床暖房です。
フローリングの下に9センチ程度の水の入った袋を置いて、その下から温水やシートヒーターなどで暖めます。
主に深夜電力を使って夜のうちに蓄熱しておき朝から放熱させる使い方になります。
昼間は床に太陽光が当たればさらに蓄熱してくれます。
(当然のことですが、補助暖房が必要なしでこれだけで暖房をするものです)

床の表面温度は25〜6℃程度です。
普通の床暖房は30℃をかなり超えますのでだいぶ低温ということになります。
30℃を超えてくると足の裏などに汗をかいてしまったりして少し不快なのですがそのようなことがありません。
ですので無垢フローリングが使えますし低温やけどの心配もありません。

この暖房を採用する前にはきちんと断熱性能の検討をしておかなければいけません。
断熱性能が低い建物ではこの暖房は効果が発揮できないのです。


そもそも暖房というのは体感温度のコントロールということなので建物の断熱性能とは切っても切れないものです。
体感温度は体の周り(天井、壁、床)の温度が低いと熱は低い方に引っ張られて寒く感じてしまいます。
昔から日本では火鉢や炬燵といった採暖(暖房ではない)として使われてきたので、とにかく強い熱を出す機器が暖房には良いのだということになっています。
今までの床暖房も同じことで、従来の断熱性能が低い建物でも暖かく使えるように温度が高く設定されているのです。
これではなかなか快適な暖房とは言えません。

とにかく暖房方法を選定するときには断熱性能を検討することは必須のことです。
断熱性能を上げれば、使う熱は低くすることができます。
なるべく低い温度で熱を逃さず暖房するということが快適さの第一歩になるのです。

アクアレイヤーの唯一の難点は家を建てる前の体感が難しいということです。
モデルハウスなどで数時間体感してもその良さはわからないのです。
(体験の時に快適と感じたものと住んだ時に感じるものは少し違うような気がします。)
もっと何日も体感し続けないと良さがわからないのです。

ですから採用には少しハードルがありそうですが、断熱性能とセットで検討してあれば特に問題はありません。


松田建築設計事務所HP
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by matu-mitu | 2015-12-16 13:24 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 10月 22日

日当たりのよい家とは

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日本では昔から家を建てる時には日当たりを良くすることが基本中の基本になっています。
しかし最近では、特に都市部の住宅地ではお隣との間隔が狭いところが多く、尚且つ敷地も狭くなってきているのでなかなか日当たりを良くすることが難しくなっています。
でもなんとか工夫してでも日当たりを確保することが快適に過ごすことの条件になります。

基本としては南側の窓の前には十分な空間を確保することです。
例えば南側道路の敷地は道路の空間がありますから有利になってきます。

一年で一番太陽高度が低い冬至でも南中高度は30度くらいです。
これを基準に考えておけば冬のもっと寒くなる時は太陽は高くなります。

では南側に空間が取れない場合はどうするか。
1階の天井を吹き抜けにしてしまって2階レベルから日当たりを取り入れる。
吹き抜けは床面積がもったいない、という時はグレーチングなど光を通す床材を採用する。
1階が日当たり悪ければ思い切って南側に階段を持って行って吹き抜けとして日当たりを確保する。

リビングを単純に2階以上につくる。
個室は1階ということになりますがメインの部屋は日当たりが良くなります。

2階のリビングでも日当たりが取れない場合は、
屋根形状を工夫して南側の外壁よりセットバックしたところで屋根形状をずらしてハイサイド窓で日当たりを確保する。

一例を書いてみましたが他にも敷地要件などから工夫ができると思います。
要は平面だけで考えるのではなく、立体的に柔軟に考えると良い案が出てくると思います。

冬暖かく快適に暮らすためには日当たりが第一条件です。
まずはここを頑張って住まい計画をしておくと後々暖房のランニングコストも安く抑えられて無理のない冬の暮らしが送ることができると思います。

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by matu-mitu | 2015-10-22 17:45 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 10月 19日

風通しのよい家とは

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住まいを新築する時には皆さん風通しの良い家にしたいと考えると思います。

では風通しの良い家とはどんな家なのでしょうか。
昔の農家の典型的な間取りは田の字型といわれるもので南側に客間を二部屋並べ、北側に食堂、寝室を並べたもので開放的でした。。
昔の家は本当に夏を旨として建てていたので柱と柱の間が間戸ということになっていたのですから北も南も大開口がありました。
そして敷地も比較的広くお隣とも離れていたので窓の位置をあまり考えなくても大丈夫でした。
ですので夏の南風は家の中を通り抜け北に抜けてくれて大変風通しが良かったのです。

では現代の家で考えてみましょう。
まずはその地域の卓越風(その季節特有の風)がどちら向きの風なのかを調べます。
これは風配図というものがありますので地域の風配図を見てみればだいたい判断できます。
参考サイト→http://www.jjj-design.org/technical/meteorological.html

そして現地で実際に確かめてみる。
関東地方では夏の卓越風はだいたい南寄りの風になりますが、敷地の条件によって南側にすぐ建物が建っていると1階の南の窓からは風は入ってきません。
風の道を確認してから窓を配置することが大切になります。

例えば、私の家では南側6mくらいのところに隣家が建っていますので1階レベルでは南側ではなく隣家と隣家の間から風が吹いてきます。しかし2階レベルでは隣家の影響はなく南風が問題なく入ります。

風を入れる窓が決まったら、風が出る窓を考えなくてはいけません。
この窓は大きい窓である必要はなく小さい窓で良いのですが、大切なのは風が部屋全体を通ってくれる位置に設けなければいけません。
基本は南に入る窓をつけたら北側に出る窓をつけます。
通常の位置でなくても天井に近い位置に風が出る窓専用ということで考えても大丈夫です。
入る窓と直角方向に出る窓をつけてしまうと部屋の真ん中を風が通り抜けないので効率は悪くなります。
この場合は例えば吹き抜けをつくって2階のレベルに出る窓をつくっても効果は変わりません。
風は横方向だけに動くのではないのでこのような方法でも全然大丈夫です。

南北に二部屋並んでしまって途中に間仕切り壁で風が通り抜けない場合はどうするか。
この時は壁の上部やドアの上に欄間(らんま)を設けて風を通り抜けさせるようにします。

卓越風は南側になりますが、風はころころ向きを変えることがあります。
ですので違う方位でも入る窓を開けておくことは有効です。

そしてもし部屋が南側に向いていない場合はどうするか。
以前に採風窓のところで書きましたがウィンドキャッチと言う考え方。
南北に吹く風をたてすべり出し窓を開けて風の流れを止めて部屋の中に導き入れるという方法でできます。もちろん小壁やフェンスなどでも作ることは可能です。

外に風が吹いていない日もあると思います。
そんな時のために、
吹き抜けを利用して風通しを良くします。
階段室も空間が吹き抜けているので使えます。
そして上階の天井の下あたりに窓を設けます。
そうすると暖かい空気は軽くて上へ上へいく習性がありますので上の窓から排気されて上下に気流ができます。

以上簡単ですが書いてみました。
風通しの良い家といっても実現するには考えなければいけないことが沢山あります。
そんなに簡単なことではないので心して当たった方が良いと思っています。



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by matu-mitu | 2015-10-19 14:17 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 09月 10日

採風窓

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夏涼しく過ごすために必要な通風計画ですが、夏は南寄りの風が吹くことが多いので南北に窓を設置して通り抜けを考えるのが原則とされています。
でもどうしてもプラン上、南に窓が取れないこともありますね。
そんな時にはどうするか。

上の写真は東側の外壁に面する窓、縦すべり出し窓です。
ドアのように開くのがポイントです。
この二つの窓の反対側通しが開くと南からくる風に対して一つは風を受けるようになるため室内に風が導かれます。
もう一つの窓は反対に風が室外に出て行くように作用します。
このようにひとつの部屋に二つの窓をセットで配置することで風を捕まえる窓(ウィンドキャッチ)と風を逃がす窓になるのです。
かなり有効ですので覚えていて損はありません。

今住んでいる家で窓を新しくしなくても、この考え方は応用できます。
普通の引き違い窓だったとします。
窓の風下側に壁(塀など)を作ってしまうのです。
もしくは密に生えた生垣などでも代用ができます。ウッドフェンスなどでもいけますね。
風の通り道を考えて少し工夫するだけでも通風を取り入れることはできます。

住宅地では建物が密集していますので1階レベルでは南から風が吹いてくるとは限りません。
私の家の場合は、南には隣家が建っていますのでだいぶ東側によった建物の隙間から風が吹いてきます。
でも2階レベルでは南からしっかりと入ってきます。
自分の敷地にはどのような風が吹いているのかを知るのもたいへん重要になってきます。



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by matu-mitu | 2015-09-10 14:58 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 06月 26日

涼風を取り込む窓3

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以前に涼風を取り込む窓ということでトップライトを取り上げました。
今回はさらに有効な窓です。
ハイサイド窓です。
屋根のすぐ下、外壁に窓をつくります。
やはりトップライトと同じように建物内の熱くなった空気は上の方に上がっていきますので天井の一番上で排気します。
そのための窓です。
昔、理科の授業で学んだ、暖かい空気は上へ上がり、冷たい空気は下へ下がる、ですね。
夏の時期にあまり日射が当たらないところの方が好ましいです。(北側がベスト、それでも夏は多少の朝日は入ってきます)
日射がガンガンあたるところだとそこから熱くなってしまい逆効果になるからです。
この窓は夏の時期には一日中開けておくことをお勧めします。(軒を出して少しの雨でも平気なように)
なるべく窓の下は吹抜けや階段を設けて1階から最上階までの空気の流れを淀みなくつくることがうまくいくコツです。

効果としては
昼間は暖まった空気を順次排気してくれます。
夜間〜早朝までは外気が冷えてきますので、冷えて重くなった空気がこの窓から入って冷気のシャワーになって部屋に下りてきます。
エアコンを併用しても効果は変わりません。エアコンの冷気も下に下にいくので熱い空気だけが排気されていく感じです。

夜間の冷気シャワーは体感してみると本当に気持ちが良いです。
極端にいうと、この窓一つあるだけで夏が相当快適になりますので是非お試しください。




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by matu-mitu | 2015-06-26 14:03 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)
2015年 06月 09日

床暖房の快適温度

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床暖房というと床がポカポカと暖かくて気持ちが良いです。
でもポカポカもしすぎると心地がよくないのをご存知でしょうか。

床暖房というと一般的なものは電気式のものや温水式のものだと思います。
最近でこそ高断熱住宅が普及してきましたが少し前までは低断熱住宅が一般的でした。
そのような家にも床暖房は当然導入されてきましたから住み始めて寒いと言われると暖房メーカーにクレームがきてしまうのです。
建物周囲の断熱性能が低いと熱がどんどん奪われてどんどん熱を供給しなければいけないのです。
そこで温水の場合はどんどん高温の温水を流すことになっていきます。
そうすると床の表面温度は30℃を超えてしまいます。
その部屋にずっといると足の裏が汗をかいてしまうほどに。。。

快適な床の表面温度は23〜26℃と調査結果が出ています。
30℃を越えると不快になるのはもう当たり前ですね。
上の写真の住宅は床表面温度が25℃程度になるような床暖房が仕込まれています。
ですからちょうど良い温度なのですね。

床暖房に限らず暖房を考えるときにはその建物の断熱性能と一緒に検討する必要があります。
断熱性能が低ければ暖房エネルギーは高めに設定しなければいけません。
断熱性能を上げれば暖房エネルギーはどんどん減らすことができるのです。

なるべく余計な熱を与えないような暖房がより快適に近づくような気がします。

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by matu-mitu | 2015-06-09 15:28 | 温熱環境 | Trackback | Comments(0)