2016年 09月 07日
地震に強い建物というとどんな建物が思い浮かぶでしょうか? 鉄筋コンクリート造、鉄骨造など。 確かに鉄筋コンクリート造は強固に地震に耐えます。 鉄骨造は柔らかい構造で地震の力を逃がしてくれます。 しかし重要なことはどちらもしっかりと構造計算をしてそれに基づいてつくられているのです。 この当たり前のことが木造では行われていません。 法規で義務付けがされていないために行われていないのです。 90%程度の木造はしっかりとした構造チェックがされていないということになります。 私の事務所では構造設計は構造設計事務所に依頼していました。 RC造や鉄骨造、木造の3階建てなど。 しかし、その他の木造については構造計算はしていませんでした。 日本では昔から大工さんが木造をつくってきたということがあるので難しい構造計算をするということは慣例としてありませんでした。 だからと言って構造チェックをしなくても良いとは言えないとも考えるようになりました。 今年に入ってから私の事務所では構造計算ソフトを導入して木造についてはすべて構造計算をすることにしました。 これにより建物の構造の全てを数値に基づいて決定することができるようになりました。 梁や基礎について、今までは経験と勘に基づき決めてきた断面形状をこれからは許容応力度計算により決定することができます。 今までの経験値が必要ないのではなく、数値で出てきたものに経験によるものを付加していくことができるのです。 これから先、大地震が多くなると予想されていて実際に地震による被害も増えています。 そんな時代に信頼性のあるしっかりとした住まいを設計し供給していきたいと考えながら日々を過ごしています。
by matu-mitu
| 2016-09-07 09:48
| 構造
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